大ちゃんに見る、背徳と官能のその先

Absolute Skating
http://www.absoluteskating.com/index.php?cat=reports&id=2013japannationals1

全日本男子についての記事
中ほどに大ちゃんの事が書いてあります。

高橋大輔は怪我のため 彼の持つ才能を発揮することはできなかった。
競技中4Tを3度挑んだが、きれいに着氷することはできなかった。更に彼は他のジャンプでもトラブルに見舞われ252・81で5位で終えた
しかし彼の心のこもった演技は観客(ジャッジにも)に伝わり、彼が他に比類なきスケーターであることを示した。

とちょっと適当に訳してみた。
思うのだけど、ここ数シーズンというか、特に先シーズンから海外の専門雑誌やWEB記事は正直なところ国内よりもずっと大ちゃんを応援する記事が多い。
前も書いたけれど、昨年の夏に放送され、全日本前にもWEBで再アップされたCNNの大ちゃん特集の映像もそうだけど、このタイミングで大ちゃんを応援するかのように記事があがるということはファンとしてもうれしい。
でも、やっぱり多くのフィギュアファンや関係者も期待しているんだと思う。
高橋大輔という稀有の才能を持ったスケーターがオリンピックに出ることによって、フィギュアスケートを知らない人々に、そしてかつてフィギュアスケートを愛してくれていたけれど新採点法になり芸術的な演技を見ることができなくなってしまって離れていってしまったファンに対して、フィギュアスケートはこんなに進化していて、そして更に新しい領域にフィギュアスケートの世界を広げたスケーターがいると、フィギュアに関わっている人達が、国を離れて大ちゃんを世界に見せたいと思ってくれているんだと思う。
ローリーもインタビューで、「神がつかわしたスケーター」「大輔はすべての振付師の夢」「既に“伝説”の選手」とまで言っている。
やはり今シーズンの、宮本先生のソナチネとローリーのビートルズメドレーのプログラムを見ると、昨シーズンのプログラムの足りないところがあきらかにわかってきた。
大ちゃん自身は自分が至らなかったと言っているけれど、自分のものにできないというのは至らないわけでもないと思う。
観客としてはロックンロールも道化師もプログラムとして想像の限界があった。
わかりやすくいえば、たとえば道化師はストーリーがあるので、そのストーリーにあった感情表現を大ちゃんがするのでそれにあわせて、今悲しんでるんだな嫉妬してるんだなと感じ方を固定してしまって限界を見る側がつくってしまって自由度がなかった。
常々、大ちゃんはどう感じてもらってもいいと言い、自分からはこう感じてほしいということは言わないけれど、昨年のプログラムはショートもフリーも感じ方の制限があった。
けれど、今年のソナチネもビートルズメドレーも感じ方は無限。見ている側がどう感じても自由なのでそのフラストレーションがない。
スケートアメリカでのビートルズメドレーはジャンプもスピンも失敗はしたけれど、演技から漂うやすらぎややさしさは胸を暖かくした。
全日本のビートルズメドレーは、やさしさと感謝と、そして激しさとせつなさが混ざり合って胸を打った。
スケートアメリカのソナチネは、まさに苦しみにのた打ち回り光を求めてあらがっているような、そしてどこかあきらめがあるような、生きることの難しさみたいなものを感じた。
NHK杯では、必死で苦悩と向き合いながらただたら光を求めて、音楽に抱かれて官能の世界を魅せた。
これは私が勝手にそう感じただけで、他の人もそれぞれいろいろ感じたにちがいない。どう感じてもいい、そういう感じ方に制限のないプログラムを今シーズンは揃えてきたので、去年感じていたフラストレーションが今年は全くないのである。
やはり高橋大輔というのは、魂をさらけだして滑るプログラムが似合っている。
無防備にさらけ出してしまうので、その危うさに胸が高鳴る。
以前からちょっと思っていたのだけれど、大ちゃんに期待している人々は、ジョルジュ・ドンのような表現者がフィギュアスケートの世界に出てきて欲しいと願っていたのではないかなと。
もちろん今の大ちゃんが伝説のダンサーと同等だとは思わないけれど、大ちゃんを応援しているフィギュアの世界の人たちは、フィギュアスケーターとしてその領域に足を踏み込みだし、そういう領域もフィギュアにはあるんだと見せたいのではないかなと思ったりする。

Jorge Donn, Bolero-1982.


妄想で、もしベジャールが生きていて大ちゃんにフィギュアスケートのプログラムを振り付けしたとしたらどうだったかなとか考えたりする。

それから、ニジンスキーの牧神の午後の初演を見た人は、私達が大ちゃんのソナチネだったり、EXのピアソラだったりを見たときに感じた背徳感と官能を同時に感じたような気持ちになったのではないかなと・・・もちろんニジンスキーの演技は今映像は残ってないから全容はわからないけれど、時代性だとかそういうものも考えると当時とても衝撃的だったと思うのだ。そしてその衝撃はきっと背徳感と官能をあわせもった気持ちではなかったかなと。
牧神の午後はフィギュアでもよく使われる曲だし、ニジンスキーはプルシェンコが演じたのだけど、現役を引退したあとぜひ大ちゃんには演じてもらいたい。
もちろんボレロもね。



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1. 無題

こんばんは。
きょうは、やっとNHKの大輔さんデビューからの9回のプログラムを通してみることができました。
それで、ののまめさんのように言葉では言えないけれど、何か今季の2つのプログラムはこれまでと全く違うものなんだなぁ~としみじみ感じました(そりゃ振付師も違いますけど)広がりがある感じが特に感じたかな?
それと、海外での期待ということで、私も全日本の時に出たローリーのインタブとか、CNN再びとか、かなり海外からの援護射撃?のような気がしました。とにかく、海外のほうがきちんと評価している気がいつもします。

2. 大ちゃんはもともと海外のほうが評価が高かった

>neneさん
大ちゃんは怪我前から国内よりも海外でのほうが評価は高かったと思います。
それについて、よくお友達と話してたんですけどね。もっと大ちゃんを評価しろーって。
国内だと真央ちゃんとヨナの対決ばかりでしたから。真央ちゃんもすごいんだけど、大ちゃんはフィギュアスケートの枠を飛び出した規格外なところのあるスケーターなので、そういうところは逆に海外のほうが早くから評価していたと思います。
先日、NHKの番組で大ちゃんのことをジュニアの頃から見ていたアナウンサーが、世界のなかでも最高傑作と大ちゃんの事を言っていましたが、やっとそういう事を口にしてくれるマスメディアの人間がでてきたかと思いました。

3. ジョルジュ・ドン

ののまめさん、初コメですがいつも楽しい記事を有難うございます!

ジョルジュ・ドン、そうなんですよ~、と声を大きくして言いたいのです、私も。
大ちゃんてドンを彷彿させるスケーターになってきた、と数年前から思っていました。
ドンのボレロは何度か生で見ることができたのですが、あの時感じたひとりのダンサーに身体ごと吸い寄せられるような感覚。魂というか官能というか巻き起こるエネルギーというか、そういうものを感じるスケーターは大ちゃんだけです。

と思わずコメントをしてしまいました。
芸術、というかダンスに引きつけられるDNAを持っていた自分に拍手したいくらいです♪

海外の評価を知ると、ますます日本での表面的(点数とかメダルとか)な報道は寂しく感じますよね~。でも分かる人には分かる、刈屋さん嬉しいですね。
ソチではフィギュアスケートの流れを変えるような演技を是非!

4. Re:ジョルジュ・ドン

>ととさん
はじめまして、ののまめブログ楽しんでくださってありがとう。

やっぱり思いました?私もなんですよ。なんのタイミングか忘れたんだけど大ちゃんの演技をみていて、愛と悲しみのボレロのジョルジュ・ドンのボレロを思い出したことがあって。
以前も書いたことがあったんだけど、ダンサータイプのスケーターはトマシュやアボット、ちょっとまえだとエマとかいるんだけど、みんなフィギュアスケートの世界の人と思うんです、けれど大ちゃんだけよその世界からフィギュアの世界にきちゃったような異質感があるなと。
その異質感は、ジョルジュ・ドンの世界観とちょっとかぶるかなと思って。大ちゃんはできるだけスケーターをつづけていただいて大ちゃんの舞踏の世界を極めて欲しいなと思っています。コーチもいいんだけど、なんか大ちゃんは世俗と離れたアートの世界にどっぷりつかる人生もいいんじゃないかなと。
そういう世界に生きるために生まれてきたような特別な存在のように思います、この頃特に。

5. Re:Re:ジョルジュ・ドン

再びお邪魔します。
そう、そうなんです。現役の競技スケーターをやめても、どこかのショーでゲストで滑るより、もっと何か、極めてほしいと思っています。
熊川氏の「芸術監督」云々の話じゃないけれど、競技のルールに縛られることがなくなるので、もっとアートを!って思います^^

6. うれしいな!

ののまめさん、はじめまして。

高橋君の演技を見ていると、もう目も心も吸い寄せられて心臓ドキドキになっちゃうけど、あれ?これってジョルジュ・ドンのボレロやアダージェットを観た時のドキドキ振りのトキメキ☆なんじゃない!?!!って思ってたんですよ(すみません、年甲斐も無い文で‥)だもので、ののまめさんや他にもドンさんを連想する方がいると分かってうれしくて思わずの初コメントです!!!
『バチェラレット』を観たときにこの人だけ他のスケーターと別の次元というか世界、ステージにいる、見ているように感じたんです
私が観たかったフィギュアってこれなんじゃないかしら!?ってくらい衝撃受けました。

7. 大ちゃんを見てジョルジュドンを連想する仲間

>チビリンスキーさん
はじめまして。
私も大ちゃんをみてドンを連想したことのある方が何人もいらしたことにうれしいです。
私もバチェを見た時に、この子はちょっと違うなと思いました。男子で官能を表現できる選手というのは今までいなかったと思うし。それとともに性別を超越した両性具有というか、フィギュアスケートの世界の固定観念をとりのぞき、芸術としての演技もあるという道をこの子は歩みだしてるなと思いました。怪我の巧妙というのは大ちゃんにはぴったりなんだけど、もしあのまま怪我なくして選手をつづけていたら、ちょっと毛色のちがった選手で終わったと思うのだけど、怪我の影響で体を作り直したことが表現に深みをもたせ更にすごい選手になったのではないかなと思っています。
ソチでは唯一無二のその才能を華ひらくところを見せてほしいですよね

8. おお‥

>ののまめさん
早速の返信、ありがとうございます(^-^)
ブログにコメントを書くのは初めてなもので、勝手がよく分からなくて
これからもののまめさんのブログ楽しみにしてます。ちなみにこちらのブログには最近たどりついたばかりです。
普通に『高橋大輔』で検索したですよ。
妄想系記事を特に楽しみにしてます。

9. Re:おお‥

>チビリンスキーさん
普通に検索して出てきてしまったのですか、ののまめブログ・・・やべっ。こっそりこそこそのつもりが。内容も妄想三昧ですからね、皆様には大ちゃんファンブログの中でも異質だと言われていますが、これだけ妄想三昧書いてれば異質だとおもいますが、きっとここにたどり着いたあなたも、妄想族なのでお仲間だとおもいまーす。
ののまめブログ今後ともよろしくお願いします
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